Bar 宵闇亭

Category: 貧乏市長物語

Comment (0)  Trackback (0)

【TRINSIC OF THE DEAD 2】 ~I'm in the Darkness~ 1

❖トリンシック・トリビューン 2014年7月20日
 【トリンシックで暴動発生 負傷者多数】
  今日7月20日正午頃、トリンシック公園内で突如数人が暴れだし、他の市民を無差別に襲う事件が起きた。
  目撃者の証言によると、暴徒たちは獣のように唸りながら公園内を走り回り、手当たり次第周囲の人間に「齧りついて」いたという。
  事件発生の経緯や、負傷者の数は不明。
  すぐさま騎士団が出動し暴徒の抑えこみにかかったが、現在も鎮圧は完了しておらず、公園周辺では激しい鍔迫り合いが続いている模様。
  隣の市民ホールでは、流行病の対策本部が会議の真っ最中だった。
  アーサー市長含む数名の委員は無事救出。
  だが混乱の続く現地では、消息の不明な市民が多数存在していると思われ、彼らの安否が気遣われる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 久しぶりに戻ったトリンシックは、昔と変わらず綺麗だった。
 分厚い城門も、金色の石畳も、太陽の光で焼けた砂壁の匂いも昔のままだ。
 アーサーに会いに行く前に宿を取っておきたかったけど、厩前のトラベラーズ・インは流行病が出たとかで封鎖されていた。
 今日の寝床はどうしたもんか。市長様の権限でラスティ・アンカーのスイートでも取ってくれたりはしないよな?
 その辺のガードに聞くと、アーサーは市民ホールでお偉方と会議中だとか。
 すごいな、ちゃんと市長らしいことしてるぞ。
 出待ちを兼ねて、しばらく公園をぶらつく。
 近頃雨が続いたせいか、堀の水は濁って汚らしかった。
 だが公園で遊ぶガキどもは、まったく気にせず腰まで浸かって水遊びに熱中している。
 きゃぁきゃぁ騒ぐ声は、やがてギャーギャーと獣じみた叫びになり、うるせぇな、と俺が振り返った時、目の前に居たのは目を血走らせて歯を剥いたガキの一人だった。
 ガキは無言で俺の腹に噛み付いた。
 俺は多分、少し気を失った。


 目を覚ますと、周囲は騒がしかった。
 楽しそうに走り回る奴らがいて、みんな甲高く歓声をあげて、素敵だ、フェスティバルじゃないか!
 俺までなんだかうきうきしてくる。
 とりあえずアーサーを探そう、もう会議なんて終わったに決まってる。
 市民ホールの中も、まるでダンスパーティのようだった。
 あちこちで撒き散らされる、赤い飛沫の綺麗なこと!
 その中で、一際目立つ金髪が居た。
 トリンシックの紋章を染め抜いた紫のサーコート、こんなのを着てるのが市長様でなきゃ誰なんだ?
 やぁ、アーサー!
 元気だったかよ、俺は見てのとおりさ!
 俺が笑顔で駆け寄ると、アーサーは凍りついたように動きを止めた。
 もう何年ぶりになるだろう、だからって俺を忘れたりしてないよな、アーサーは目を見開いて、
 だけど、あれ? その目、
 あれ?
 ……あれ?
 俺は尋ねようと口を開けて、かぱっと口を開けて、(なんだか腹が減ったなぁ)
 久しぶりだなぁ、めりっと、むしゃっと、俺も大変だったんだぜ、ルナじゃあ日雇いしか仕事がなくて、俺はガッチリ肉に食いついて、力いっぱい顎を閉じたところで、横っ面をブン殴られてよろめいた。
 血だらけの赤毛の男が、息を切らせてアーサーの前に立っている。
 ごっそりもげた美味そうな腕の肉、じゃあ俺が今むしゃむしゃしているこの肉は、まぁいいや、それより俺はアーサーに、
 「市長、早く!!」
 男がアーサーの襟首を引っ掴み、猛然と外へ走って行く。
 おいどこへ行くんだよ、ちょっと聞きたいことがあるんだ、すぐ済むから、止まれって、おーい、聞けよ、止まれよイライラするなああああああ!
 腹立たしさが音になって、口から垂れ流しになる。
 うーうーと、あーあーと、叫びだすと気持よくて止まらない。
 俺は夢中になって二人を追いかける、懐かしいなぁ、なんだか昔を思い出す、よくこの公園でした鬼ごっこ、俺が鬼でお前たちは子、捕まえたらその肉を口いっぱいにむしゃむしゃむしゃむしゃと、
 ふいに赤毛野郎が軽業師のように身を捩って、俺の顎下を蹴りあげた。
 ぐるっと視界が回転して、両足がふわっと浮いて、耳元でドボンと音がして、気がつけば俺は濁った水の中でバタバタともがいていた。
 どこにも足がつかない。手も届かない。
 ただ轟々と押し流されて、真っ暗なところへ引きずり込まれていく。
 光が遠ざかる。
 いやだ、いやだ。
 ……どうしてまた、俺だけ。




 ❖トリンシック・トリビューン 2014年7月27日
 【ゾンビ事件、ついに解決か!】
  この一週間、トリンシック中を恐怖に陥れた【ゾンビ事件】が、ようやく解決の目処を迎えた。
  今日7月27日午後、隔離区画に取り残された市民の救出作戦が冒険者によって行われたが、不測の事態により救出部隊は生存者1名を除き壊滅。
  そこへライキュームで完成したワクチンを携えたアーサー市長が帰還し、事態は既のところで収束された。
  ワクチン投与を受けた感染者たちは瞬く間に正常に戻り、現在のところ後遺症の懸念もないとのこと。
  トリンシック市庁舎は、研究の結果この奇病はウィルスと呪いの混合によるものと断定した。
  呪いの性質から、この事件の背後には死霊術師が関わっていると見て間違いなく、かねてより市が推進している聖騎士復興計画を、快く思わない勢力の妨害工作ではないかとの見方もあるようだ。
  隔離区画は月末まで汚染除去と消毒が行われ、8月から市民の帰宅が許される予定。

イベント【TRINSIC OF THE DEAD 2 ~ From Darkness ~】

── Season 1 Story ── Diary of Arthur
~Diary of Arthur~ 1
~Diary of Arthur~ 2
~Diary of Arthur~ 3
~Diary of Arthur~ 4
~Diary of Arthur~ FINAL


スポンサーサイト

Newer Entry【TRINSIC OF THE DEAD 2】 ~I'm in the Darkness~ 2 Older Entryトリンシック・トリビューン 2月22日
Comments






インフォメーション
Ultima Online 出雲シャードにて、深夜にダンジョンでBarをしたり、トリンシックで首長をしている人のブログです。

Aizenhawer


Bar宵闇亭 営業時間
出雲フェルッカ デスパイス内
毎週土曜 夜11時~2時

次回のトリンシック市民会議
2017年4月23日(日)夜10時
出雲トリンシック パラディン島
訓練施設内会議場にて開催

イベント予定
【トリンシック・ウェディング・セレクション】
2017年6月25日(日)夜10時より
出雲トリゲート真下:特設会場
詳細は  コチラ

カウンター
検索フォーム

1234567891011121314151617181920212223242526272829303110 2017