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Category: 貧乏市長物語

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TRINSIC OF THE DEAD ~Diary of Arthur~ 2



7月8日
政務中、真っ青になったブルーノと衛兵が駆け込んできた。
彼らの報告を聞いて思わず耳を覆いたくなった私を誰が責められるだろう。
S.Bが拘束から逃れ、側に居たバイロンとエイワスを襲った。
バイロンは頸動脈を噛み切られた上、はらわたを食い破られて即死。
エイワスは命こそ取り留めたものの、手足の肉を食いちぎられて危険な状態らしい。
S.Bは、咄嗟に魔法を唱えた副ギルド長のレイによって焼き払われたそうだ。
詳しいことを聞きたかったが、ブルーノも酷く動揺していて要領を得ない。
衛兵からも現場を清掃するまで待って欲しいと言われ、事件の凄惨さが窺い知れる。
とりあえずギルド契約の件を早々に片付け、明日改めてヒーラーハウスを訪ねよう。


7月9日
バイロンの遺体は腐敗が早かった為、今朝早くに北の墓地へ埋葬された。
彼の真新しい墓石の前で祈りを捧げてから、ヒーラーハウスへ向かった。
エイワスの様体は悪い……ひどい高熱が続き、顔色など土のようだ。
やはりバイロンの懇願に貸さず、S.Bは早々に隔離しておくべきだった。
まさか両腕を引きちぎってまで拘束を逃れるとは、誰が予想できただろう……。
S.Bに食いちぎられたあちこちの傷は痛々しく膿んでいる。
レイに、S.Bの燃えカスを見せられた。
彼の動きを完全に止めるまで、3度もフレイムストライクを唱えねばならなかったそうだ。
S.Bはいったい何者だったのだろう?
焼き殺す以外に方法はあったろうか?
分からない……アルバートが有用な情報を持ち帰ってくれるのを期待するしかない……。


7月10日
やはりS.Bはなんらかの保菌者だったに違いない。
昨夜エイワスが突然暴れだし、レイとブルーノを襲おうとしたそうだ。
念のため衛兵を残しておかなければどうなっていたことか……。
エイワスは全身を拘束し、牢獄に隔離するよう指示を出した。
鉄格子越しに見た彼は獣のように叫び続け、とてもあの気弱そうな青年と同一人物とは思えない。
またS.B同様傷口から腐敗を始めており、このままではやがて手足が腐り落ちてしまうだろう。
どうにか治療してやりたいが、こう凶暴性が強くては誰も近づけられない。


7月11日
あぁ……なんということだ!
あれほど厳重に注意したというのに!
噛まれなければ大丈夫だという油断があったのかもしれない。
エイワスを見張らせていた衛兵が、二人も感染した……。
報告によれば、彼らは噛まれておらず、ただエイワスが吐きかけた内臓の一部に───あぁ、そうだ、彼は内蔵まで腐っていた───何故動ける?何故意志があるように人を襲おうとする?───触れてしまったからだ。
触れてすぐ彼らは体調の悪さを訴え始め、検査のため隔離された直後、S.Bやエイワスと同じ症状を発症したという。
体の微細な傷から菌が入ったのか?
それとも接触するだけで危険なのか?
あぁ、だがそれよりも恐ろしい事実が───
発症時間が短くなっている。


7月12日
例の奇病の件にかまけてすっかり忘れていたが、明日はニューマジンシアでの槍試合の日だ。
慌ててシャイニング・パスに装備の調達を依頼した。
明日に備えて英気を養おうと思うものの、とても安らかに眠れる気分ではない───


7月13日
第一騎士スペクター殿と従士を連れ、ニューマジンシアへ赴いた。
普段石造りの城塞に慣れていると、この街の開放的な雰囲気はとても新鮮に感じる。
華やかで熱気に満ちた試合を、会場の人々は大いに楽しんでいたようだ。
私はというと戦績もまったく振るわず、浮かない顔ばかりして従士に心配をかけてしまった。
例の奇病については、まだ一部の者にしか話していない。
未知の部分が多い上、あまりことを公にしては都市規模のパニックが起きるおそれがある。
もしトリンシックが混乱に陥ったと聞けば、密輸業者や海賊どもが黙ってはいないだろう。
最も手早い解決法は……感染した者をすべてS.Bのように焼き捨てることだ。
だがまだ彼らは生きている。
動き回ることを生きていると呼ぶなら、だが。
どう決断するにせよ、とにかくアルバートの帰還を待ってからだ……。


7月14日
ここ数日の疲れが溜まっていたのか、トリンシックへ帰還してすぐ泥のように眠ってしまった。
ずっと悪夢ばかり見ていた気がする。
夕方になってようやく起きると、既にアルバートが執務室で茶菓子を食べながらくつろいでいた。
彼のにやけ顔を見て、こんなに嬉しかったことはない。
アルバートの持ち帰った情報と証拠は、想像以上のものだった。
隠谷では、確かに奇妙な研究が行われていた形跡があった。
隠谷に潜む魔術師たちは、おぞましいネクロマンサーだとも、フォロワーズ・オブ・アーマゲドンの残党だとも、シャドーロードの信徒だとも言われている。
だが今やその詳しい正体を知るものはなく、また彼らを罰するだけの証拠も掴めないが故に、トリンシックとしてもただ存在を無視し続けてきたのが仇となったようだ。
彼らの守る石造りの塔の傍には誰とも知れぬ無残に"バラされた"遺体が散乱し、内部には鉄格子で囲まれた監禁室まであったという。
幸い、と言っていいかは分からないが、アルバートが潜入した時にはもう誰も囚われていなかったようだ───おそらくS.Bも、ここに長期間監禁され実験を受けていたのだろう。
更にアルバートは数日かけて、彼らが密かに出入りしている隠し部屋の存在を突き止めた。
そこには暗号で書かれた研究書らしきもの、厳重に封をされた怪しげな小瓶などがあり、アルバートはそのうちの数点を持ち帰っていた。
想像するのもおぞましい染みがついた革表紙の中身は、アナグラムと思しき単語や奇妙な記号の羅列でわけがわからない。
エンサイクロペディア・マギカのメラニーなら、これらを解読できるだろうか?
一方の小瓶は、見た目だけは綺麗なガラス瓶だが、近くに寄せるとなんとも言えない妙な臭いがする。
中には透明な水のようなものが入っており、アルバートは「少し苦いですよ」と冗談めかして言った。
……まさか、飲んだのか?
とりあえずこの液体も明日ハーブリストのアランに渡し、成分を分析できないか依頼しよう。
それともう一つ、アルバートの報告の中にひどく気がかりなことがあった。
隠谷の魔術師たちに混じって、覚えのある顔を見たというのだ。
 【血の卒業事件】の後から行方が分からなくなっている、ハイデン氏にそっくりな男を───


(インクの擦れた痕)
(よほど慌てて書いたのか紙がよれている)


かれらがにげた 

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